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本枯本節二年物

(ほんがれほんぶしにねんもの)

「本枯本節二年物」とは、本節の中でも製造から二年以上経過したものを指します。乾燥と熟成が非常に進んでいるため旨味が凝縮しており、また、蕎麦の風味を邪魔するような雑味がほとんどない、上品な出汁が取れるのが特徴です。その特性から、特に辛汁(冷たいそばつゆ)用の出汁には最適な鰹節です。現在、原料(節)はもちろんのこと、厚削り・粉砕品でもご提供しております。また、二年物亀節のご用意もございます。

マルサヤでしか「できない」「やらない」。
本物を届けるために手間ひまを惜しまない、
こだわりの鰹節。

マルサヤの「ほんもの」に対するこだわりの一つとして、自信をもっておすすめする商品が、『薩摩産本枯本節二年物 : さつまさんほんがれほんぶしにねんもの』です。二年以上の長期熟成をさせるという、これまで鰹節業界にはなかった取り組みを始めてから、マルサヤを象徴する商品として、世に送り出し続けております。

そもそも、鰹節と聞いて思い浮かべる形は写真の「茶色い棒状の塊=カビ付け節(枯本節)」ではないかと存じます。しかし、じつのところ、この枯本節は、鰹節の全体生産量の数%にも満たない希少品なのです。世の中に多く出回っている鰹節のほとんどは、カビ付けを施さない「荒節」であり、皆さまがイメージする枯本節を召し上がっていない場合がほとんどであるというのが現実でございます。それくらい、現代では枯本節が希少な存在となっております。

この枯本節は、通常、数ヶ月から半年ほどかけて製造されています。その多くは、製造が終わった時点で産地からすぐに出荷されるので、産地のメーカーがそれ以上の熟成をさせることはありません。また、産地から枯本節を仕入れて加工する業者も、短い期間のうちに削り節などに加工して販売していきます。つまり、通常流通している枯本節は、熟成期間がそれほど長くないものがほとんどなのです。

これに対し、薩摩産本枯本節二年物は、自社倉庫で、マルサヤの手により、さらなる熟成を促していきます。産地での製造から二年以上経過するまでの長期間にわたり、乾燥と熟成を進めることで、鰹節に含まれる水分がさらに蒸発していき、旨味成分が極限まで凝縮されていきます。同時に、雑味の原因となる脂肪分が分解されて、より上品な味わいへと変化していきます。通常の枯本節よりも、鰹節本来の旨味が強く、それでいて素材の持ち味を邪魔しない上品さを兼ね備えたクセの少ない味わいから、とくに蕎麦の辛汁(冷たいそばつゆ)に最適な味わいに育っていきます。

もともと生産量が少ない枯本節から、二年物にまで熟成させるに足る上質な原料を選び抜き、さらに手間ひまかけて熟成させていくからこそ、究極であり、幻の鰹節とも言われるのです。

製造に二年以上かかる「本枯本節二年物」。
二年後の出荷を見据え、
原料の確保と品質管理を続けることは
決して容易ではありません。

薩摩産本枯本節二年物は特殊な製法が必要というものではありませんが、これを継続的に供給するには二つの大きなポイントがございます。

第一に、弊社のように薩摩産本枯本節二年物をレギュラー品として多くのお客様にご提供するためには、常に在庫を確保し続けなければなりません。産地で製造された枯本節を、さらに熟成させていくのはマルサヤの仕事ですので、将来の出荷を見据えて、あらかじめ原料を確保していき、これを自社倉庫で長期熟成をさせていく必要がございます。このため、弊社では仕入から販売までを一貫して管理し、自社倉庫に大量の節原料を確保することで、薩摩産本枯本節二年物を安定して供給できる体制を確立しております。

第二に、鰹節はただ単に倉庫に置いておけばよいというものではなく、保管中は細心の注意を払う必要がございます。弊社ではカビの作用による乾燥と熟成を促すため、あえて常温での保管をしておりますので、保管状態の維持とチェックに多大な労力を払っております。具体的には、原料の品質チェックと風通しを良くするための定期的な保管場所の組み替えはもちろんのこと、写真にあるとおり、箱から節を取り出して、一本一本丁寧に天日干しと手擦りによる手入れ、選別を繰り返し行うという、気の遠くなるような作業を行います。手間ひまを惜しまず、長期間に渡り、品質を維持し続けることでようやくお届けできるのが薩摩産本枯本節二年物なのです。

この2点が、事実上、マルサヤだけが継続的に二年物を供給し続け、原料(節)の状態はもちろんのこと、厚削り、薄削り、粉砕、蕎麦つゆなど、さまざまな形態の商品をお届けできている、その理由でもあります。

二年物に対する取り組みをマルサヤが続けるのは、鰹節のおいしさのひとつの極致である二年物を、より多くの方に知っていただき、後世に残していきたいからでもあります。もし、わたしたちが二年物を扱わなくなってしまったら、この味わいは失われてしまうかもしれません。それは、鰹節のこれまでの歴史と未来にとって、大きな損失です。これからも、マルサヤは、鰹節専門問屋としての矜持をもって、この二年物と向き合っていきたいと考えております。

本枯本節・本枯亀節の特徴

本枯本節・本枯亀節(以下、本枯節)は、カビ付節(枯節)の中でも、乾燥と熟成が進み、凝縮した鰹節の旨味とクセのない上品さを兼ね備えた出汁を取ることができる最上級の鰹節です。とくに、蕎麦の風味を邪魔しない上品さがありながら、なおかつ、かえしに負けないような濃厚な出汁をお求めの方には最適の鰹節です。

本枯節の特性上の注意点

鰹節は乾燥と熟成の過程で、中に含まれている水分がカビの作用により蒸発していき、その分旨味が凝縮していきます。なかでも本枯節は、乾燥と熟成が極限まで進んでいるが故、水分が少ない、非常に堅い節になっております。そのため、節(原料)をご自分で削る場合、やや花立ちが悪く粉になりやすいことがございます(粉になった部分も、煮出し時間を短めにするなどの調整をしていただければ、出汁取りにお使いいただいて問題ございません)。 本枯節は、乾燥の過程で鰹節に含まれる脂肪分が分解される一方、水分が蒸発することにより鰹節本来の旨味が凝縮していくため、臭みやエグ味が少なく上品な旨味のある出汁に仕上げることができます。このため、大量の本枯節を使って非常に濃厚な出汁を取ったときでも、蕎麦の香りを邪魔するような雑味がほとんど出ず、結果的に鰹節本来の上質な旨味だけを抽出することができます。反面、少量で出汁を取ったときにはやや軽い味わいに感じることがございます。本枯節で出汁をとる際には、是非、たっぷりの鰹節(辛汁の場合、水18リットルに対して1.5~1.8kg)で出汁を取っていただければと存じます。 本枯節は、枯れ(乾燥)が進んでいく過程で、その身がやや白みを帯びてくすんだような色合いになって行きます。そのため、節を折った断面や、削り片の断面に、白っぽい部分がある場合がございますが、これは本枯節の枯れの特性によるものであり、品質に問題はございません。

花立ちの悪さ(削りにくさ)が気になる場合は

削り機の刃の出具合の調整、刃をこまめに研ぐなどのメンテナンスにより、削った際の花立ちを改善することができます。 節をあらかじめ、手に持って温かいくらいまでに電子レンジで温める(一度に1本削りきってしまう場合)、削る部分を軽く火であぶるなど、節に適度な熱を持たせることで、削り機の刃の食い込みがよくなり削りやすくなります。 枯れ(乾燥)がそれほど進んでいない、削りやすい節もご用意しております。本枯節に限らず、商品は多数ご用意しておりますので、お気軽にご相談下さい。